日本共産党 瀬崎博義「新聞は森林破壊の元凶」

昭和56年03月02日 衆議院 予算委員会第四分科会

[401] 日本共産党 瀬崎博義

この新聞店は毎日新聞約8000部と日経新聞約4800部を扱っているのでありますが、毎日の方の残紙は約400部でありまして残紙率5%、公取の調査よりは多い率ではありますけれども、もちろん業界の常識から見ればこれはきわめて少ない方に属します。日経の方は4800部で、うち1500部が残紙でありますから、残紙率は30%を優に超えるのであります。

[403] 日本共産党 瀬崎博義

では、この莫大な残紙がどうなるのか。いまお渡ししましたのに伝票の写しがありますね。これは新聞残紙商ウエダというれっきとした企業の残紙回収伝票であります。こういう新聞残紙商という独立した企業が存在するような今日になっているのですね。

これは1週間に2回回収であります。つまり3日ないし4日に1回です。その1回分の伝票、何とほとんどが日経でありますが、残紙470キログラムと記録されているでしょう。これは2月28日ですから直近のものであります。ですから、ざっと1週間で1トンに達する。1月で4トンですよ、トラック1台分。これがたった1つの店で起こっているわけです。

全国に何千、何万と販売店があるのでしょう。恐るべきことだと思いますね。このお店はこれで月に7、80万円の損失になっているとおっしゃっています。(中略)

貴重な森林資源を伐採し、莫大なエネルギーと人手をかけてパルプにし、紙にし、そして印刷をし、運搬をして、全く読者の目に触れないまま、またこの残紙回収商によって製紙工場に持っていかれる。ここの御主人がおっしゃいました。これだけ省エネルギー、省資源の叫ばれている中に、政治がこんな大きな浪費を許していていいのだろうかと。

[405] 日本共産党 瀬崎博義

最も有効なこの際の省資源、省エネルギー対策は、まさにこういう全く使われないむだ紙をつくらないことですね。それにこしたことはありませんよ。


昭和57年03月08日 衆議院 予算委員会第四分科会

[300] 日本共産党 瀬崎博義

④はそのウエダの残紙回収の伝票であります。ごらんください。ものすごいものですね。55年の上半期分だけちょっととってみますと1万8000キロ、1カ月平均3000キロの回収なんです。

当時はわりと故紙の高いときだった。10キロ300円前後で、この残紙によって1月9万円の収入が上がっておるのですよ。部数に直しますと450部前後になります。

450部といいますと、新聞原価に直しますと当時セットで1290円でしたから、その450部分58万500円になるのです。

すなわち新聞社には58万円を納め、しかし実際には売れないものだから残紙商に売ってしまって、ここで約9万円を回収する。差し引き50万近い損になるのですよ、1月につき。

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